アニメ『幼女戦記Ⅱ』第3話「善意の仲介人」
海外ではイルドア王国の動きや、ターニャの相変わらずギリギリな戦場判断に驚く声が多くありました。
他にも「鉄槌作戦」に不穏さを感じる声や、帝国の行く末を案じるコメントなど、今回も様々な意見がありました!
さっそくRedditを中心とした海外の反応を見て行きましょう。
後半では海外の反応から哲学的考察をしていきます。
ぜひ最後までお付き合いください!
アニメ『幼女戦記Ⅱ』第3話 海外の反応と哲学的考察|感情と合理性。前回は敵を見誤り今回は味方を見誤る。
海外の反応まとめ【ネタバレあり】
衝撃・驚きの反応
“I’m quite surprised about Ildoa, by the way. I thought they would attack someone and need the Empire’s help so they wouldn’t lose, but they turned out to be quite wise by wanting to mediate between the Empire and its enemies.”
ところで、イルドア王国にはかなり驚いた。
どこかを攻撃して、負けないために帝国の助けを必要とするのかと思っていた。
でも実際には、帝国とその敵の間を仲介しようとするかなり賢い動きだったんだな。
“Honestly, I was under the impression Tanya had any religious iconography removed beforehand, therefore meaning it could now be bombed.”
正直、ターニャは事前に宗教的な印を全部取り除かせていたんだと思ってた。
だから、もう爆撃してもいい場所になったということなんだろうな。
“i was with tanya regarding peace talks but then I remembered that lavrentiy fucker hasn’t faced the firing squad yet”
和平交渉についてはターニャに賛成だった。
でも、あの※ラヴレンチーの野郎がまだ銃殺隊の前に立ってないことを思い出したんだよな。
※ラヴレンチーとは、同志ロリヤの事。ソビエト連邦の政治家ラヴレンチー・ベリヤが元ネタとなっている。
“At this point, Tanya should just desert to Argentina or something man.”
ここまで来たら、ターニャはもう※アルゼンチンかどこかに脱走した方がいいだろ。
※アルゼンチンは、第二次世界大戦後に一部のナチス関係者が逃亡先として選んだ国で、海外ではよくネタにされます。
“Holy shit Tanya actually managed to sound and look kinda sweet without coming over as utterly terrifying when entertaining the ~~macaroni fucker~~ Italian colonel. And then she bombed a church and burned a town. (Tho technically it wasn’t a church anymore. This being commie occupied territory, and commies being anti religion) Never change Tanya”
なんてこった。
ターニャがヴィルジニオ・カランドロ大佐をもてなしている時、完全に恐怖の存在という感じではなく、ちょっと可愛らしく聞こえて見えることに成功していた。
それから教会を爆撃して町を焼いた。
まあ厳密には、もう教会ではなかったんだけどな。
ここは共産主義者の占領地で、共産主義者は反宗教だから。
変わらないでくれ、ターニャ。
“Dunno where you guys watched it from, but the subtitles on my end have the Ildoa general’s and colonel’s ranks mixed up. Slight issue, took me out for a sec. Anyway, this episode leaned more on dialogue than the last, but it does discuss a turning point in the narrative so it’s no problem. Like what others have said here, the Empire is once again about to fall victim to the sunk cost fallacy. Biting more than what they can chew now of all times, when the war isn’t going all that well for them would surely haunt them till the war ends.”
みんながどこで見たのかは分からないけど、自分の字幕ではイルドア王国の将軍と大佐の階級が入れ替わっていた。
ちょっとした問題だけど、一瞬集中が切れた。
ともかく、今回のエピソードは前回より会話寄りだった。
でも物語の転換点について話している回だから問題ない。
ここで他の人も言っているように、帝国はまたしてもサンクコストの誤謬(コンコルド効果)の犠牲になりかけている。
戦況がうまくいっていないこのタイミングで、身の丈以上のものに噛みつこうとしている。
それは戦争が終わるまで帝国につきまとうことになるだろうな。
“Like how they stood Tanya down to relish in their victory and protect the armistice with the Republic, they have again let emotions dictate their decisions. It’s a bit odd though that Tanya forgot that there exists men among Strategic HQ like General Rudersdorf who do not separate their pride and ego with their jobs as leaders. She is in for a shock next episode – ‘Operation Iron Hammer’ definitely doesn’t bode well at all.”
共和国との休戦を守り、勝利に酔うためにターニャを止めた時と同じように、彼らはまた感情に判断を支配させている。
ただ少し妙なのは、ターニャが戦略本部にはルーデルドルフのように、指導者としての職務とプライドやエゴを切り離せない人間がいることを忘れていたように見える点だ。
次回、彼女は衝撃を受けることになるだろう。
「鉄槌作戦」は間違いなく嫌な予感しかしない。
“So funny to go from the Myth & Roid ED of Clevatess straight into Tanya OP by Myth & Roid”
クレバテスⅡのMYTH & ROIDのEDから、そのままMYTH & ROIDのターニャOPに入るの面白すぎる。
笑い・ユーモア系
“Calling the Not Italians “macaroni fuckers” was pretty hilarious lol. Poor Calandro was not ready for Tanya. But man, it always seems Tanya ends up in situations that end with her deeper in the war and the front lines. Like so much for Ildoa’s attempt at mediation. Imperial HQ is a mess. Zettour’s not gone soft, it’s the rest of those idiots that have failed to grasp the situation. Victory is out of reach as things stand. I have a bad feeling about Operation Iron Hammer…”
偽イタリア人たちを「マカロニ野郎」呼ばわりしてたのはかなり笑った。
かわいそうなヴィルジニオ・カランドロはターニャへの準備ができてなかったな。
でも本当に、ターニャはいつも戦争と前線にさらに深く引きずり込まれる状況に行き着く気がする。
イルドア王国の仲介の試みも台無しだ。
帝国司令部はめちゃくちゃだよ。
ゼートゥーアが甘くなったんじゃない。
状況を理解できていないのは、残りの馬鹿どもだ。
現状では勝利は手の届かないところにある。
「鉄槌作戦」には嫌な予感がする……。
“When will Tanya learn her smile only does the opposite and instils fear in all those who see it.”
ターニャはいつになったら、自分の笑顔が逆効果で、見る者すべてに恐怖を植え付けているだけだと学ぶんだ。
“I love how incredibly intelligent, yet socially blind Tanya is. The Ildoan Colonel finding out why Tanya is called the Devil of the Rhine and she thinks it makes her look totes normal.”
ターニャがとんでもなく頭がいいのに、社会的な感覚は見事にズレているところが大好きだ。
イルドア王国の大佐が、なぜターニャが「ラインの悪魔」と呼ばれているのかを理解していく。
その一方で、ターニャ本人は自分が完全に普通に見えていると思っているんだ。
“I love how unrepentant Tanya is at being just outside the bounds of being a war criminal.”
戦争犯罪者の一歩手前にいることに対して、まったく反省していないターニャが好きだ。
““You are going to bomb a town and church!?”
Tanya: “I don’t see any church markings, FIRE AWAY BOYS!”
Gotta love loop holes lol.”
「町と教会を爆撃するつもりなのか!?」
ターニャ「教会の標識は見当たりませんね。撃て、諸君!」
抜け穴って最高だな(笑)
“You mean “Being X worshipper facilty”.
Light that bitch up sky fucking high! – Tanya, probably.”
「存在Xを崇拝する施設」ってことだろ。
あんなもん空高く吹き飛ばせ!
ターニャならたぶんそう言う。
“Imagine if she gave her “baby voice warning” with the general observing her hah.”
将軍が見ている前で、あの「赤ちゃん声の警告」をやっていたらと想像してみろよ。
“”I got the war observer to understand that we Imperial soldiers are normal people” – she says after casually bombing a city *juust* barely skirting international law, and showing an almost fanatical level of loyalty after that.
You know… her intelligence/wisdom distribution may be slightly off balance.”
「観戦武官に、我々帝国兵士が普通の人間だと理解してもらえた」
国際法を本当にギリギリかすめる形で町を平然と爆撃し、その後ほとんど狂信的なレベルの忠誠心を見せた後に、彼女はそう言うんだよな。
なんというか……彼女の知性と知恵のステータス配分、少し偏っているのかもしれない。
深い考察系
“TIL – Concorde effect
A behavioral economics term for our tendency to continue investing time, money, or effort into a failing project simply because we have already invested resources into it. A.K.A. – sunk cost fallacy(wait! I actually know this one!)”
今日知った。
コンコルド効果。
失敗しているプロジェクトに、すでに時間やお金や労力を投じてしまったという理由だけで、さらに投資を続けてしまう人間の傾向を指す行動経済学の用語。
別名、サンクコストの誤謬。
待ってくれ、これは実際に知ってるやつだ!
“the worst part is in the previous season, before the Republic declared resistance, the Empire’s military leaders took pride in being rational
however, as the Fairy Prophet declared, that’s incomplete rationality, and they too fell for the barbaric nature of humanity”
最悪なのは、前シーズンで共和国が抵抗を宣言する前、帝国の軍指導者たちは自分たちが合理的であることを誇っていたところだ。
でも、妖精の預言者が宣言したように、それは不完全な合理性だった。
そして彼らもまた、人間の野蛮な本質に落ちていったんだ。
“Logic will be the downfall of Tanya. Even if she includes nationalist sentiments in her mental calculations, she can’t understand the basic human need to make their efforts, their suffering… their lives, mean *something*.”
論理こそがターニャの破滅になるだろう。
たとえ彼女が国民感情を頭の中の計算に入れていたとしても、人間が自分たちの努力や苦しみ、そして人生に何かしらの意味を持たせたいという根本的な欲求を理解できないんだ。
“I might be wrong about this, but the original “Iron Hammer” (German: *Unternehmen Eisenhammer*) was a planned strategic bombing operation by Nazi Germany during World War II. The goal of that was massive bombing of Soviet Union’s key industries and the destruction of **75%** of the Soviet Union’s defense industry power supply. It seems like they either want to force the Federation to surrender or destroy them so hard that they won’t be strong enough to fight back and get overwhelmed anyway.
I am incredibly excited about what the hell is going to happen next.”
これについては間違っているかもしれないけど、元ネタの※「鉄槌」(ドイツ語でUnternehmen Eisenhammer)は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが計画した戦略爆撃作戦だった。
その目的は、ソ連の主要産業を大規模爆撃し、ソ連の防衛産業に必要な電力供給の75%を破壊することだった。
つまり彼らは、連邦を降伏に追い込むか、反撃できないほど徹底的に破壊して、そのまま圧倒しようとしているように見える。
次に一体何が起きるのか、ものすごく楽しみだ。
※「鉄槌作戦(Unternehmen Eisenhammer)」は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが計画した対ソ連の戦略爆撃作戦です。実際に存在した作戦計画ですが、実行はされませんでした。
“Seeing as this is probably communist occupied territory, there’s a good chance it no longer functions as a church in an official capacity. Communists are vehemently anti religion. While the local population might still be religious the communist regime that rules these lands probably reinforces state atheism and closed down the church”
ここがたぶん共産主義者の占領地だと考えると、公式にはもう教会として機能していない可能性が高い。
共産主義者は猛烈に反宗教だからな。
地元住民はまだ信仰を持っているかもしれないけど、この土地を支配している共産主義政権は国家無神論を強化して、教会を閉鎖している可能性が高い。
“Most international treaties only applies to signatories. But for some reason in real life we tend to expect all signers to follow them in all conflicts despite them explicitly saying they apply to those who sign it.”
ほとんどの国際条約は署名国にしか適用されない。
でも現実ではなぜか、条約が署名国に適用されると明記していても、署名した国にはあらゆる紛争でそれを守ることを期待しがちなんだよな。
“Last episode Tanya was blindsighted by her hatred for communism. This episode it is the opposite: her logical conclusions are in the way of realizing how her surroundings are trapped by their logical fallacies.”
前回のターニャは、共産主義への憎しみに目を曇らされていた。
今回はその逆だ。
彼女の論理的な結論が、周囲の人間たちが論理の※誤謬に囚われていることに気づく妨げになっている。
※誤謬(ごびゅう)とは、まちがいや誤りのことです。
“For her the logical consequences would be to end the war and accept the losses, but for the Empire and those in charge of it simply take the losses is unacceptable. This is the sunk cost fallacy at its finest. The Empire is going to continue this war to the bitter end. The higher the losses the more bitter they will fight.”
彼女にとって論理的な結論は、戦争を終わらせて損失を受け入れることだ。
でも帝国とその責任者たちにとって、ただ損失を受け入れることは許されない。
これはサンクコストの誤謬(コンコルド効果)そのものだ。
帝国はこの戦争を苦い終わりまで続けるだろう。
損失が大きくなればなるほど、彼らはさらに苦々しく戦い続ける。
感動・共感系
“Yeah this is it. The point of no return for the Empire. I feel bad for Zettour and Tanya, they knew they had to compromise now for the sake of the Empire’s future.”
ああ、これだ。
帝国にとっての後戻りできない地点だ。
ゼートゥーアとターニャが気の毒だよ。
彼らは帝国の未来のために、今こそ妥協しなければならないと分かっていたんだ。
“we already knew the Empire would be fucked from the get go, yet it’s still nonetheless frustrating to watch them dig their own graves
their pride sinks whatever hope there’s left for salvation forTanya”
帝国が最初から詰んでいることは分かっていた。
それでも、自分たちで墓穴を掘っていくのを見るのはやっぱりもどかしい。
彼らのプライドが、ターニャに残された救いの希望を沈めていく。
“Tanya doesn’t have it easy; she thought that peace was close, but the truth turned out to be the opposite. Plus, Aoi Yuki as usual was killing it with her acting in today’s episode, those changes in her voice between fake and true Tanya are so good!”
ターニャも楽じゃないな。
彼女は和平が近いと思っていたのに、実際にはその真逆だった。
それに、悠木碧は今回もいつも通り演技がすごかった。
偽物のターニャと本当のターニャの間で声を切り替える感じが本当に良い!
“I feel bad for Zettour as well, as he seems to be the only guy in the top brass who thinks logically about the Empire’s situation. I wonder what this Operation Iron Hammer is exactly.”
ゼートゥーアも気の毒だ。
帝国の状況について論理的に考えている上層部の人間は、彼だけのように見える。
この「鉄槌作戦」が具体的に何なのか気になる。
“Tanya wanting peace isn’t very ‘evil’ but now war is being forced on her”
ターニャが和平を望んでいるのはあまり「悪」っぽくない。
でも今は戦争の方が彼女に押し付けられているんだ。
“Glad the bombing of not-a-church made it through, I really like that scene.”
「教会ではないもの」の爆撃シーンがちゃんと通ってよかった。
あの場面、かなり好きなんだ。
“That’s where being X has Tanya by her no longer existent balls. Tanya is too much a stickler for rules and organisation. She might bend them with out of the box thinking to get her way, but breaking them is not an option. She’d be incredibly unlikely to ever desert and run away”
そこが存在Xに、ターニャのもう存在しない急所を握られている部分なんだ。
ターニャは規則と組織にこだわりすぎる。
目的を達成するために型破りな発想で規則を曲げることはあるかもしれない。
でも、規則を破ることは選択肢に入らない。
彼女が脱走して逃げる可能性は、信じられないほど低いだろうな。
“There we go. That’s our favorite “Tanya moment” when she attempts to be rational and helpful to bring conflict to a swift end…
…but ends up contributing to expansion of the warfront in some way, and I bet she’ll be sent to spearhead the operation…”
出たな。
これこそ俺たちの大好きな「ターニャの瞬間」だ。
彼女は合理的に、そして役に立つ形で、紛争を素早く終わらせようとする。
……でも結局、何らかの形で戦線拡大に貢献してしまう。
しかもきっと、その作戦の先陣を切らされるんだろうな。
引用元:
Reddit
海外の反応、いかがでしたか?
第3話では、イルドア王国の仲介、ターニャの国際法ギリギリの判断、そして帝国上層部が和平ではなくさらなる戦争へ傾いていく不穏さに、多くの海外ファンが反応していました。
特に「帝国はサンクコストの誤謬(コンコルド効果)に囚われている」という指摘や、「ターニャは人間が犠牲に意味を求める感情を理解できない」という考察は、今回のテーマをかなり鋭く突いていたように思います。
少し深掘りしてみましょう。
海外の反応と哲学考察を組み合わせた動画をYoutubeで毎週公開しています。
▼最新回はこちら
哲学から見るアニメ『幼女戦記Ⅱ』
「損失を認められない帝国」カーネマンとトベルスキーのサンクコストの誤謬
“TIL – Concorde effect
A behavioral economics term for our tendency to continue investing time, money, or effort into a failing project simply because we have already invested resources into it. A.K.A. – sunk cost fallacy(wait! I actually know this one!)”
今日知った。
コンコルド効果。
失敗しているプロジェクトに、すでに時間やお金や労力を投じてしまったという理由だけで、さらに投資を続けてしまう人間の傾向を指す行動経済学の用語。
別名、サンクコストの誤謬。
待ってくれ、これは実際に知ってるやつだ!
このコメントは、行動経済学でよく語られる「サンクコストの誤謬(コンコルド効果)」と深く関わっています。
ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが明らかにしたプロスペクト理論では、人間は利益よりも損失を強く嫌う傾向があるとされます。
すでに支払ってしまい、二度と戻らない費用や犠牲を惜しむあまり、合理的には撤退すべき場面でも「ここでやめたら今までの犠牲が無駄になる」と考え、さらに損失を膨らませてしまう。
今回の帝国は、まさにその罠に落ちかけています。
ターニャやゼートゥーアにとって、戦争を終わらせることは帝国の未来を守るための合理的な選択でした。
しかし帝国上層部にとって、積み上げてきた犠牲を「損失」として受け入れることは耐えがたい。
だからこそ、和平ではなく、さらに大きな作戦へと踏み込もうとするのです。
この構図は、戦争を続ける国家が合理性ではなく「これまでの犠牲を無駄にしたくない」という感情に支配されていく恐ろしさを描いています。
「犠牲に意味を求める人間」ヴィクトール・フランクルの意味への意志
“Logic will be the downfall of Tanya. Even if she includes nationalist sentiments in her mental calculations, she can’t understand the basic human need to make their efforts, their suffering… their lives, mean *something*.”
論理こそがターニャの破滅になるだろう。
たとえ彼女が国民感情を頭の中の計算に入れていたとしても、人間が自分たちの努力や苦しみ、そして人生に何かしらの意味を持たせたいという根本的な欲求を理解できないんだ。
このコメントは、ヴィクトール・フランクルの「意味への意志」を思い起こさせます。
フランクルは、人間が根本的に求めるものは快楽や権力だけではなく、自分の人生や苦しみに意味を見出すことだと考えました。
ターニャは徹底した合理主義者です。
被害を計算し、戦況を分析し、国家の生存にとって最も損失の少ない選択を導こうとします。
しかし人間は、必ずしも損得勘定だけで動く存在ではありません。
失われた兵士の命、国民の苦しみ、積み重ねてきた戦争の年月。
それらを「無駄だった」と認めることは、残された者たちにとって自分たちの人生そのものを否定されるような痛みを伴います。
だからこそ、帝国上層部は敗北や妥協を受け入れられず、さらなる勝利という「意味」を求めてしまう。
ターニャの論理は正しくても、人間が苦痛に意味を求める存在である限り、その正しさだけでは周囲を動かせないのです。
「合理性が野蛮へ反転する」ホルクハイマーとアドルノの道具的合理性
“the worst part is in the previous season, before the Republic declared resistance, the Empire’s military leaders took pride in being rational
however, as the Fairy Prophet declared, that’s incomplete rationality, and they too fell for the barbaric nature of humanity”
最悪なのは、前シーズンで共和国が抵抗を宣言する前、帝国の軍指導者たちは自分たちが合理的であることを誇っていたところだ。
でも、妖精の預言者が宣言したように、それは不完全な合理性だった。
そして彼らもまた、人間の野蛮な本質に落ちていったんだ。
このコメントは、マックス・ホルクハイマーとテオドール・アドルノが『啓蒙の弁証法』で批判した「道具的合理性」に通じています。
道具的合理性とは、目的を達成するための効率や手段ばかりを重視する理性のあり方です。
それ自体は一見、冷静で合理的に見えます。
しかし、その合理性が「何のために行うのか」という根本的な問いを失った時、理性は平和や人間の尊厳ではなく、支配や破壊のための道具へと変わってしまいます。
帝国軍はかつて、自分たちを合理的な軍事組織だと考えていました。
けれども戦争が長引き、勝利という目的だけが肥大化していくにつれ、その合理性は撤退や妥協ではなく、より大きな破壊を正当化する方向へ傾いていきます。
ターニャが見ている合理性と、帝国上層部が信じる合理性は、もはや同じものではありません。
今回の不穏な空気は、理性を掲げる国家が、気づかぬうちに最も非理性的な破滅へ向かっていく瞬間を描いているのです。
まとめと感想
『幼女戦記Ⅱ』第3話は、イルドア王国という「善意の仲介人」が登場し、和平の可能性が見えたかと思いきや、帝国がさらに危険な方向へ進み始める不穏な回でした。
ターニャは和平の必要性を理解し、ゼートゥーアもまた帝国の未来を見据えて妥協の重要性を分かっている。
しかし、帝国という巨大な組織は、すでに支払った犠牲や誇りに縛られ、合理的な撤退を選べなくなっていきます。
海外の反応でも、サンクコストの誤謬(コンコルド効果)や人間の感情の問題に触れるコメントが多く、単なる戦争アニメとしてではなく、国家と組織の破滅を描く物語として受け止められているのが印象的でした。
また、ターニャがヴィルジニオ・カランドロに「普通の帝国軍人」を見せようとしながら、その直後に国際法ギリギリの爆撃を行う流れには、笑いと恐怖が同時に集まっていました。
「鉄槌作戦」は史実にあった、実行されなかった作戦の通りなのか。
そしてターニャはまたしても、戦争を終わらせるための合理性によって、戦争の中心へ送り込まれてしまうのか。
次回の展開から目が離せません。
個人的には…ターニャ、またしてもかわいそう( ノД`)シクシク…
ハンス閣下とターニャしか合理的に考えてない…というか、2人とも人間の感情がわからないタイプで似ているという(笑)
とても人間らしい感情を持つ人々が、戦争を継続し激化させる道を選び、人間的な感情に鈍い合理主義者の塊のような2人が平和の道を選ぼうとしていたことがとても皮肉でした。
人間の感情は時に温かいものではあるけれど、時に恐ろしいものであることを改めて知った回でした。
さらに、前回は共産主義に対する憎しみで敵を見誤ったターニャ、今回は合理的すぎて見方を見誤ったターニャ。感情と合理性。
前回と今回で真逆なのがとても面白いですね!
引き続きこのブログでは第4話も海外の反応をお届けしますのでお楽しみに!
幼女戦記 関連グッズ
©カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記2製作委員会

