アニメ『ワールド イズ ダンシング』第2話「あんたには身体があるじゃないか」
海外では鬼夜叉の激しすぎる感情表現や、芸術と苦しみの関係について多くのコメントが寄せられていました。
さっそくRedditを中心とした海外の反応を見て行きましょう。
後半では海外の反応から哲学的考察をしていきます。
ぜひ最後までお付き合いください!
アニメ『ワールド イズ ダンシング』第2話 海外の反応と哲学的考察|これはあらゆる種類の芸術家が一度は陥るジレンマだ
海外の反応まとめ【ネタバレあり】
衝撃・驚きの反応
“And holy shit Oniyasha is actually crazy. The unhinged faces, the outburst of anger towards his father, and all the bloodstains on the door. I suppose all great artists need to have a hint of madness inside them.”
いやマジで、鬼夜叉って本当にヤバい奴だな。
あの正気じゃない顔、父親への怒りの爆発、扉に残った血の跡。
偉大な芸術家には、やっぱり内側に少し狂気が必要なのかもしれない。
“Wow, ballsy move to have your mc act so blatantly terrible this early on into the series. Oniyasha isn’t wrong that her being at her lowest is what brings out that emotional, soulful dancing that pulled him in in the first place, but her being able to actually feed herself and not live a miserable life should come first way before dancing in a way that makes him happy, especially when that dancing is directly linked to her being miserable. And for him to act THAT berserk over her being paid for her work (throwing the money, biting a dude, punching multiple dents in the doors enough to draw blood) was the last thing I expected just by looking at him”
序盤から主人公にここまで露骨にひどい行動をさせるなんて、かなり思い切ったことをするな。
彼女がどん底にいるからこそ、鬼夜叉を惹きつけたあの感情的で魂のこもった舞が生まれたという点では、鬼夜叉は間違っていない。
でも、彼を満足させる舞よりも先に、彼女がちゃんと食べて惨めな生活から抜け出せることの方がずっと大事だろう。
しかも、その舞は彼女の不幸と直接結びついているんだから。
それなのに、彼女が自分の仕事の対価を受け取っただけであそこまで暴れるなんて。
金を投げるわ、人に噛みつくわ、血が出るほど扉を殴ってへこませるわ、見た目からは一番想像してなかった行動だった。
“I spent the whole episode expecting her to die. When they met her in the city eating Dango, I thought it was just a red herring and I was relieved. Shit.”
このエピソードの間ずっと、彼女は死ぬんじゃないかと思いながら見ていた。
街で団子を食べている彼女に会ったときは、ただのミスリードだったのかと思って安心したんだ。
くそ……。
“It’s sad it seems like Shirabyoushi couldn’t even enjoy her last day because Oniyasha took her earnings. Oniyasha shouting at his father saying her dance was good because she had nothing is really concerning, he would have preferred her to be in that sad state if it meant he could see more of that dance he was looking for. I’m glad his father told him art should be compensated. Throwing a bag of coins at someone’s head is crazy.”
鬼夜叉が彼女の稼ぎを奪ったせいで、白拍子は最後の一日すら楽しめなかったように見えて悲しい。
鬼夜叉が父親に向かって、彼女には何もなかったから舞が良かったんだと叫んだのは本当に危うい。
自分が求めていた舞をもっと見られるなら、彼女があの悲惨な状態のままでいることを望んでいたってことだろう。
父親が「芸術には対価が支払われるべきだ」と言ってくれてよかった。
硬貨の袋を人の頭に投げつけるのは普通に狂ってる。
“That fucking ending was both depressing and anger-inducing. Oniyasha taking Shirahyoshi’s money and saying to his father that she was good because she had nothing was such a dick move. I do like that his father makes it clear to Oniyasha that someone’s art must be compensated. Kinda wish the lesson came with a can of whoop-ass.”
あのラストは本当に落ち込むし、同時に腹が立つ終わり方だった。
鬼夜叉が白拍子の金を奪って、父親に「彼女は何もなかったから良かった」と言うのは、あまりにもひどい行動だ。
父親が鬼夜叉に、誰かの芸術にはきちんと対価が支払われるべきだと明言したのは良かった。
できれば、その教訓には拳骨もセットでついてきてほしかったけどな。
笑い・ユーモア系
“My weekly dancing anime turned into a baseball anime for a split second.”
毎週見ているダンスアニメが、一瞬だけ野球アニメになった。
“Must be in the genes, the dad also had a very good turtle throw in the first episode”
きっと遺伝なんだろうな。
父親も第1話でかなり見事な亀投げをしていたし。
“I’ve got a hunch that Oni in his name isn’t just because. Little guy is demon. Some crazy faces this week.”
鬼夜叉の名前に「鬼」が入っているのは、ただの偶然じゃない気がしてきた。
あの小さい奴、悪魔だよ。
今週の顔芸はかなり狂ってた。
“I don’t think Hanamori Yumiri ever had a role that required such visceral screaming.”
花守ゆみりがここまで内臓から絞り出すような叫びを求められる役をやったことって、今まであったかな。
“I love how his extreme expressions look like Noh masks. Not sure if I’m keen on the super stylized dancing scenes (her final flower dance excluded cause holy shit) but I can’t deny that it really shows the emotions being expressed.”
鬼夜叉の極端な表情が能面みたいに見えるところが好きだ。
すごく様式化された舞のシーンが好みかどうかはまだ分からない。
彼女の最後の花の舞は別だ、あれはとんでもなかった。
でも、表現されている感情が本当に伝わってくることは否定できない。
深い考察系
“I think this episode reflects a certain dilemma artists all over, of many types, had to respond to in some way or other before: “Does my struggles respresent me (my art)? And if I no longer have those struggles, will my art become less special?” “Is to be a true artist – to suffer?” “Does selling my art mean it loses all meaning? Is it simply a product?””
このエピソードは、あらゆる種類の芸術家が一度は何らかの形で向き合ってきたジレンマを描いていると思う。
「自分の苦しみは、自分自身、あるいは自分の芸術を表しているのか?」
「もしその苦しみがなくなったら、自分の芸術は特別ではなくなるのか?」
「真の芸術家であるためには、苦しまなければならないのか?」
「芸術を売るということは、その意味をすべて失わせるのか?
それはただの商品になってしまうのか?」
“To progress, Oniyasha, ironically, has to stop seeing the dances as a form of a “product” himself. He still thinks of dances as something that gives him self-satisfaction – like a drug. He has to realise that every performance has a *story* , whether he likes it or not – and if he was truly human – understand the person behind that story.”
皮肉なことに、鬼夜叉が前に進むためには、彼自身が舞を「商品」のように見るのをやめなければならない。
彼はまだ、舞を自分に満足感を与えてくれるもの、まるで薬のようなものだと考えている。
彼は気づかなければならない。
好きか嫌いかに関係なく、すべての演技には物語があるということに。
そして本当に人間であるなら、その物語の背後にいる人間を理解しなければならないんだ。
“Man, lots to unpack on this episode. Oniyasha mentions he has no talent, but Shirabyoushi says he has a body. This does bring up the subject of talent. What is talent if you can’t make use of it?”
このエピソードは語ることが本当に多い。
鬼夜叉は自分には才能がないと言うけれど、白拍子は「あんたには身体があるじゃないか」と言う。
これは才能というテーマを浮かび上がらせている。
使うことができない才能に、一体どんな意味があるんだろうか。
“This episode really showed Oniyasha’s ego, and his age, with his lack of care for the people around him. He currently lives as though people live for his sake.”
このエピソードは、鬼夜叉のエゴと、彼の幼さをはっきり見せていた。
周囲の人間への配慮がまるで足りない。
今の彼は、まるで人々が自分のために生きているかのように生きている。
“I think the episode avoided the romatization of the struggling artist with that development, at the same time as it (hopefully) signals that Oniyasha took the correct lesson from this experience. It’s not that the Shirabyoushi’s dance was good because she had nothing else, it’s just that even if you have all your basic necessities covered, there are feelings that can *only* be released in art. Talent got nothing to do with it. If you have a body, move it.”
この展開によって、エピソードは苦しむ芸術家を美化することを避けていたと思う。
同時に、鬼夜叉がこの経験から正しい教訓を得たことを示しているのだと願いたい。
白拍子の舞が良かったのは、彼女に何もなかったからではない。
たとえ生活に必要なものが満たされていても、芸術の中でしか解き放てない感情があるということなんだ。
才能なんて関係ない。
身体があるなら、動け。
感動・共感系
“The final hurrah of a withering flower; the dance of a performer stripped bare of all her humanity and left with nothing but her failing body, performing desperately for no one but herself. It was this kind of raw emotion encapsulating the terrible life the shirabyoshi that captivated Oniyasha. And once he realizes the essence of what he was seeking he strips himself of everything and dances with the starving villagers. What an incredible followup episode.”
枯れゆく花の最後の喝采。
人間性をすべて剥ぎ取られ、衰えていく身体だけを残された演者が、誰のためでもなく自分自身のために必死に舞う。
白拍子の悲惨な人生を包み込むような、あの剥き出しの感情こそが鬼夜叉を魅了したんだ。
そして彼が自分の求めていたものの本質に気づいたとき、彼は自分からすべてを剥ぎ取り、飢えた村人たちと共に舞う。
なんて素晴らしい続きのエピソードなんだ。
“A really bleak episode, but it sets up a very good motivation for MC. I didn’t expect to actually tear up in just 2nd episode, but it was a very good episode. Looking forward to how the story will unfold.”
かなり陰鬱なエピソードだったけど、主人公の動機づけとしてはすごく良かった。
第2話で本当に泣きそうになるとは思っていなかったけど、とても良い回だった。
これから物語がどう展開していくのか楽しみだ。
“RIP Shirabyoushi . I mean I figured she was going to die but when I saw her eating Dango happily I though wait maybe there’s a chance she can live a bit longer…man fuck I guess every story needs the tragic start. If you have a body then dance. Lets see where Oniyasha goes from here now.”
白拍子、安らかに。
死ぬだろうとは思っていたけど、彼女が幸せそうに団子を食べているのを見たとき、もしかしたらもう少し生きられるんじゃないかと思ったんだ。
ああ、くそ。
どんな物語にも悲劇的な始まりが必要なのかもしれない。
身体があるなら舞え。
鬼夜叉がここからどこへ向かうのか見ていこう。
“Sorry Cypic, when I saw the Key Visual I didnt know I was supposed to cry after 2 episodes”
ごめん、Cypic。
キービジュアルを見たとき、第2話で泣かされるアニメだなんて思ってなかった。
“Sometimes I think I’ve become too jaded with anime, especially at the start of a season where I drop a whole series of similar looking shows within minutes of starting them. Characters and settings feel thin, the plots seem overused, and the art feels like the bare minimum required of those who are rushed off their feet. Then you hit an anime like this, which grabs you by the collar and won’t let go as it screams its intensity in your face.”
時々、自分はアニメに対して擦れすぎてしまったんじゃないかと思うことがある。
特にシーズンの始まりには、似たような作品を開始数分で次々に切ってしまう。
キャラクターや設定は薄く、筋書きは使い古され、作画は忙しさに追われた人たちが最低限こなしたものに見える。
でも、こういうアニメに出会うんだ。
襟首を掴んで離さず、顔面に向かってその強烈さを叫びつけてくるような作品に。
“I was expecting the dance in the first episode to be an outlier. I think the last dance went even more crazy. Hard to put it into words what I (and Oniyasha) felt that moment.”
第1話の舞は例外的なものだと思っていた。
でも、最後の舞はそれ以上にすごかったと思う。
あの瞬間に自分や鬼夜叉が感じたものを、言葉にするのは難しい。
引用元:
Reddit
海外の反応、いかがでしたか?
第2話では、鬼夜叉の芸術への執着と、白拍子の最期の舞が大きな衝撃を呼んでいました。
とくに海外では、鬼夜叉の行動に怒りや戸惑いを覚える声が多く見られた一方で、「苦しみ」と「芸術」の関係を深く読み解くコメントも目立ちました。
「あんたには身体があるじゃないか」という言葉は、才能や環境ではなく、身体そのものから表現が始まるという強烈なメッセージとして受け取られていたようです。
少し深掘りしてみましょう。

哲学から見るアニメ『ワールド イズ ダンシング』
「芸術は商品になった瞬間に魂を失うのか」マルクスの疎外論
“Does my struggles respresent me (my art)? And if I no longer have those struggles, will my art become less special?” “Is to be a true artist – to suffer?” “Does selling my art mean it loses all meaning? Is it simply a product?”
「自分の苦しみは、自分自身、あるいは自分の芸術を表しているのか?」
「もしその苦しみがなくなったら、自分の芸術は特別ではなくなるのか?」
「真の芸術家であるためには、苦しまなければならないのか?」
「芸術を売るということは、その意味をすべて失わせるのか?
それはただの商品になってしまうのか?」
このコメントは、ドイツの哲学者カール・マルクスが論じた「疎外された労働」と強く結びついています。
マルクスは、本来なら人間の自己実現であるはずの労働や創造が、市場の中で単なる商品として扱われることで、創作者自身から切り離されてしまうと考えました。
芸術もまた、魂の表現であると同時に、誰かに買われ、評価され、対価を与えられるものです。
鬼夜叉は、白拍子の舞に「よい」を見出しながらも、その舞が対価を得ることで変質したように感じてしまいました。
彼にとって白拍子の舞は、自分の内側を震わせる特別な体験であり、だからこそ金によって現実の生活に引き戻されることを拒絶したのかもしれません。
しかし観阿弥が示したように、芸術には対価が支払われるべきです。
創作者の魂を尊重することと、その生活を支えることは本来対立するものではありません。
むしろ、鬼夜叉が怒りの中で見落としていたのは、白拍子の舞の背後にある一人の人間の生だったのです。
「身体があるなら動け」メルロ=ポンティの身体現象学
“It’s not that the Shirabyoushi’s dance was good because she had nothing else, it’s just that even if you have all your basic necessities covered, there are feelings that can *only* be released in art. Talent got nothing to do with it. If you have a body, move it.”
白拍子の舞が良かったのは、彼女に何もなかったからではない。
たとえ生活に必要なものが満たされていても、芸術の中でしか解き放てない感情があるということなんだ。
才能なんて関係ない。
身体があるなら、動け。
このコメントは、フランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティの「身体現象学」を思わせます。
メルロ=ポンティは、身体を単なる道具や物体としてではなく、世界を感じ、意味を生み出す主体そのものとして捉えました。
私たちはまず頭で考えてから身体を動かすだけではありません。
むしろ身体そのものが、世界に触れ、悲しみや喜びを受け取り、動きとして表現していきます。
白拍子の「あんたには身体があるじゃないか」という言葉は、鬼夜叉に才能の有無を超えた原点を突きつけています。
舞うために必要なのは、完成された技術や特別な才能だけではありません。
痛み、悔しさ、飢え、喜び、それらを抱えた身体がそこにあり、動き出すこと。
鬼夜叉が最後に村人たちと共に舞った場面は、まさに身体が世界と直接つながり、言葉にならない感情を形にしていく瞬間だったのではないでしょうか。
「他者を芸術の材料にしてはいけない」カントの定言命法
“…it was after he had displayed his selfishness by essentially saying that she should not have eaten anything good nor worn a fine garment just so she could continue to show him her dance that had struck him as being “good”.”
彼女が自分にとって「良い」と感じた舞を見せ続けるために、美味しいものを食べるべきではなかった、立派な衣を着るべきではなかったと言っているようなものだった。
それは彼の利己性をはっきり示していた。
この批判は、ドイツの哲学者イマヌエル・カントの「定言命法」に通じています。
カントは、人間を単なる手段としてではなく、常に同時に目的として扱わなければならないと考えました。
つまり、他者を自分の欲望や満足のための道具にしてはいけないということです。
鬼夜叉は白拍子の舞に強く惹かれました。
しかしその瞬間、彼は白拍子という一人の人間の幸福よりも、自分がもう一度「あの舞」を見たいという欲望を優先してしまいます。
彼女が食べ、着物を得て、ほんのわずかでも穏やかな時間を持つことを、鬼夜叉は受け入れられませんでした。
それは、白拍子を「舞を生み出す存在」としてだけ見てしまい、彼女自身の命や尊厳を見落としていたからです。
カントの視点から見れば、ここで問われているのは芸術論である以前に、他者を一人の人間として見られるかどうかという倫理の問題なのです。
まとめと感想
『ワールド イズ ダンシング』第2話は、鬼夜叉という主人公を一気に複雑な存在として描き出した回でした。
白拍子の舞に魅せられた彼は、その「よい」を求めるあまり、彼女自身の生活や命に向き合うことができませんでした。
海外の反応でも、鬼夜叉の行動に強い怒りを示す声が多くありましたが、その一方で、芸術は苦しみから生まれるのか、芸術に対価を払うことは魂を損なうのかという深い議論も生まれていました。
「あんたには身体があるじゃないか」という言葉は、鬼夜叉にとって白拍子から受け取った最後の贈り物だったのかもしれません。
才能がないと嘆くのではなく、身体があるなら動く。
何も持たないから舞うのではなく、身体に刻まれた感情があるから舞う。
その気づきが、鬼夜叉のこれからの舞をどのように変えていくのか注目です。
個人的に…かわいらしい絵とは真逆のとんでもないものを見た!と思いました。
今回は「狂気」だったですね。
鬼夜叉が学ぶには大きすぎる損失でした…。白拍子さん、安らかに…。
引き続きこのブログでは第3話も海外の反応をお届けしますのでお楽しみに!
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